▶︎ 口臭って何?
こちらのページでは「口臭」について基本的な知識をゼロから知り、口臭を改善できるようになることを目指します。
目次
- ● 口臭って、いったい何なの?
- ● 口臭を改善するための2つのポイントとは?
- ● 何が臭っているの?「口臭の原因物質」とは?
- ● 全くの別物!口臭には2つの種類があった!
- ● 実は誰もが持っている「生理的口臭」
- ・1日の生活の中で起こる生理的口臭
- ・一生のサイクルの中で起こる生理的口臭
- ・食べ物などによる生理的口臭
- ● すぐに対策が必要!「病的口臭」
- ・最も多い病的口臭「歯周病性口臭」
- ・咽頭炎や中耳炎による口臭
- ・その他の体の病気による口臭
- ● それぞれの口臭の改善方法
- ・病的口臭への対策
- 咽頭炎や中耳炎による口臭
- その他の体の病気による口臭
- ・生理的口臭への対策
- ● まとめ
口臭って、いったい何なの?
「あれ!?、今日わたし、なんか口が臭うかも…」
「課長って、いつも口が臭い!
こんな強烈なのに本人は気にならないのかしら?」
など、自他によらず口臭による不快を経験したことは誰しもあると思います。
誰にとっても起こる身近な問題だけに、口臭を抑えるためのタブレットやマウスウォッシュなど、様々なブレスケア用品の売上高は右肩上がりです。
でも、そのようなブレスケア用品を使っても、効果を実感できるのはほんの一瞬という方は多いのではないでしょうか。
口からの不快な臭いを日本語ではすべて「口臭」と表現しますが、実際のところ口臭は様々な理由、状況、体の部分から発生します。
そのため、口臭という一言では、その実態を正しく知ることはできません。口臭の実態を正しく知られなければ、適切な改善方法を選ぶこともできません。
とはいえ、口臭の発生する実態を全て知ろうとするならば、辞典でも収まりきらないほどの膨大な知識や情報が必要になります。
それに、口臭が本格的に研究されだしたのも、ここ2、30年でまだまだこれからが期待される発展分野です。
そこで、このページでは全く口臭について知らない方が、ゼロから口臭を知り、改善するための基本が分かるようにお話ししていきたいと思います。
それでも、実際に起こっている口臭の9割以上は改善できる内容ですので、ぜひお役に立てて頂けたらと思います。
口臭を改善するための2つのポイントとは?
まず、口臭を改善するために、抑えておくととても便利なポイントが2つあります。
ゼロから学ぼうとすると非常に複雑な口臭ですが、この2つを手掛かりにするととても簡単に理解することができます。
その2つとは「口臭の原因物質」と「口臭の種類」です。
この「口臭の原因物質」と「口臭の種類」の2つのポイントを見ることで、口臭についての基本と改善策を簡単に知ることができます。
先ずは、「口臭の原因物質」から説明していきたいと思います。
何が臭っているの?「口臭の原因物質」とは?
口臭の原因物質にはいくつも種類があります。しかし、先ずゼロから学ぶ私たちにとって知るべき臭いの「主犯」はたったの1種類だけです。
その主犯とは揮発性の硫黄化合物です。揮発性(きはつせい)とは、液体の状態から気体になりやすい性質をさします。
例えば、マニキュアの除光液はフタを開けるとツンと鼻を刺すにおいがすぐに立ち込めますが、これは除光液が揮発しやすいからです。
硫黄化合物というと温泉の有効成分を思い浮かべる方も多いと思います。
実は、硫黄化合物は私たちが口にする食べ物や飲み物にもたくさん含まれています。また、私たち自身の細胞にも多く含まれています。
口に残った食べかすや、粘膜細胞の老廃物が口の中の悪玉菌によって分解され硫黄化合物の液体が発生します。
口臭がするということは、話したり、呼吸をすることで、硫黄化合物が口から揮発して臭いを発生させることなのです。
揮発性の硫黄化合物はよくVSC(volatile sulfur compounds)と略されて呼ばれていますので、今後は私たちもこれをVSCと呼んで読み進めていきたいと思います。
全くの別物!口臭には2つの種類があった!
それでは、次にもう一つの口臭のポイントである「口臭の種類」について見ていきたいと思います。
実は、口臭には2種類あるのですが、これが全くといって別物なのです。
例えば、膝の痛みでも成長や加齢によるライフサイクルの上で起こる痛みと、怪我や事故の後遺症で起こる痛みは全く別の種類の痛みと言えますよね。
似たように、口臭も全く別の2種類に分けることができます。
その2種類とは「生理的口臭」と「病的口臭」です。
「生理的口臭」とは、1日の生活、あるいは一生のライフスタイルを通して発生する口臭のことを言います。
「病的口臭」とは、何かしらの病気に伴って発生する口臭のことを言います。
それでは、それぞれの口臭について順を追って見ていきましょう。
実は誰もが持っている「生理的口臭」
生理的口臭というのは、1日の生活や一生のライフスタイルを通して発生する口臭です。
1日の生活の中で起こる生理的口臭
朝起きた時、口の中がネバネタしていたり、パサパサ乾いていたりすることはないでしょうか?あまり気分の良い状況ではありませんね。このような状態では、普段は感じない不快な口臭を感じることがあります。
実は、朝の起き立ては1日の中で最もお口の細菌が増えている状態です。ですので、悪玉菌によって、臭いの原因物質VSCもたくさん発生しています。
朝起きた時、お口の中の悪玉菌が増殖する大きな原因は、睡眠中に唾液の出る量が減るためです。唾液には細菌の増殖を抑える効果があります。
通常、起きてリラックスしている状態では、ヒトは生理的口臭を抑えるだけの十分な唾液を出しているので口臭は発生しにくくなります。
しかし、お腹が減っている時や緊張している時は、唾液の状態や出る量が変化します。
お昼前にお腹が空いて唾液が粘っこくなったり、取引先との大事な会議の前になると、妙に口が乾いてきたりするのはこのためです。
このような唾液の状態が変化する時も臭いの出やすい口内環境になります。
一生のサイクルの中で起こる生理的口臭
思春期や妊娠時や更年期にも血中ホルモンが変化することで、一時的に吐き出される息に臭いが出ることがあります。
食べ物などによる生理的口臭
臭いの強い食べ物というと、ご存知の通り、ニンニクやネギなどがあります。実はこういう食べ物も硫黄をたくさん含んでいて、体内で硫黄化合物が発生し、息から臭うのです。
ビタミン剤も同様で多量に摂取すると、硫黄化合物が汗や息から臭うことがあります。
このように、1日や人生のある状況によって生理的口臭は出たり出なかったりします。ですので、誰しもが大なり小なり生理的口臭があると言って過言ではありません。
とは言っても、朝の起き立てを除いて、生理的口臭が他人を不快にさせる事はあまり多くありません。
一時的な臭いほど際立って感じてしまうのが鼻の特性です。会話をする距離であれば、他の人には感じない程度の臭いでも自分の鼻は口からとても近いので、強く臭いを感じてしまうことがあります。
しかし、過度に自分の臭いを気にすることは禁物です。
病は気からと言いますが、生理的口臭を気にするあまり、不安と緊張が高まり、唾液の出る量が減って、本当に口臭が強くなってしまうことがあるからです。
このように見ていくと、本当に私たちが本当に対処しなければいけない口臭は「生理的口臭」ではないことが分かります。
そう、本当に今すぐ対策が必要なのは「病的口臭」なのです。
すぐに対策が必要!「病的口臭」
もう一つの口臭「病的口臭」は何かしらの病気があることで発生する口臭です。
例えば、口の中に歯周病があったり、咽頭炎、扁桃腺炎があるために発生する口臭は病的口臭です。
それに、耳や鼻に炎症があったりする場合も強い病的口臭が出ることがあります。
口の中は喉ばかりではなく耳や鼻もつながっています。そのため、中耳炎や副鼻腔炎といった病気による口臭も発生するのです。
これらの病的口臭は本人では自覚できないことがよくあります。
というのも、起床時口臭のようにいっとき臭うのではなく、病的口臭は慢性的に臭います。そのため鼻が慣れてしまって、自分では臭いを感じられなくなっているのです。
たまに、「この人、香水付けすぎじゃないかしら?」と感じる人に会ったり、通りすがったりすることがあります。
これは、同じ香水を使っていると段々とその香りに自分の鼻が利かなくなり、使用量が増えていって、他人には強烈ににおってしまうためです。
家族や周囲の人に指摘されて初めて気づく口臭は病的口臭が発生している可能性が高いのです。
自覚症状がなくても他人に不快感を与えしてしまっている可能性があるので、病的口臭は厄介な口臭です。
しかし、病的口臭は原因が明らかな分、対処の仕様もハッキリしています。
それでは、病的口臭にはさらにどのようなものがあるのか詳しく見ていきましょう。
病的口臭で最も多いのが、歯周炎性口臭です。
最も多い病的口臭「歯周病性口臭」
他人でも不快を感じるほどの本当に口が臭い人は、ほとんどの場合、歯周炎を起こしています。
歯周炎というのは、歯肉炎・歯周病の総称です。
歯肉炎・歯周病については詳しくこちらでご説明しておりますので、是非こちらもご覧になってみてください。
歯周病になると歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)が広がり、歯周病菌が爆発的に増殖します。本来、歯周病菌は空気がある環境では生きることが出来ないとても弱い細菌です。
しかし、歯周ポケットの中は空気が届かないので、放置しておくと有害な歯周病菌がどんどんと増えていってしまうのです。
実は、口臭の原因物質VSCを大量に作り出している主犯は歯周病菌たちです。
ですので、歯周病を抱えている人は、慢性的な病的口臭も発生させているのです。
咽頭炎や中耳炎による口臭
喉を腫らしてしまったり鼻炎で鼻づまりを起こす場合にも、病的口臭が発生します。
咽頭炎や中耳炎は、化膿レンサ球菌、肺炎連鎖球菌、インフルエンザ菌といった悪性細菌やアデノウィルスといった悪性ウィルスによって引き起こされます。
病原体に感染すると、体の免疫機能が働いて、白血球や抗体が悪性細菌やウィルスと戦います。免疫機能と病原体の戦いによって、炎症や発熱が引き起こされます。
やがて、免疫機能による戦いによって死んだ白血球は膿(うみ)となります。膿は痰(たん)や鼻水として体から排泄(はいせつ)されます。
この時の膿や痰、鼻水が排泄されずに留まることで、臭いの原因物質VSCが発生するのです。
その他の体の病気による口臭
「歯周病や重度の虫歯が何本もある訳でも無い」
「耳鼻咽喉に問題がある訳でも無い」
それなのに、自覚出来ない強い口臭を他人から指摘される場合は注意が必要です。本当にごく稀にですが、大きな病気が元で口臭が発生している場合があるからです。
例えば、肺がん、肝がん、胃がん、食道がん、腎不全といった、大きな病気が元で口臭が発生することが報告されています。自覚出来ない口臭があり、体に不調を感じている場合は病院で検査を受けて頂いた方がいいかもしれません。
重ねて言いますが、大きな病気が元で発生する病的口臭のケースは本当はごく稀です。
病的口臭は歯周病や咽頭炎などの口の中の病気で発生していることがほとんどです。
それでは、次に口臭の対策・予防方法を見ていきましょう。
それぞれの口臭の改善方法
まずは、病的口臭からその対策方法をご説明します。
病的口臭への対策
病的口臭はその原因となる病気が明らかですので、対応策もハッキリしています。順に追って見ていきましょう。
歯周病性口臭への対策
病的口臭で最も多いのが歯周病性口臭です。歯肉炎・歯周病は痛みがないので、放っておかれやすく、いつの間にか症状が重くなってしまう怖い病気です。
朝起きると口から出血して枕が血だらけになっていたり、歯がグラグラする場合は、歯周病がかなり進行していると考えられます。
一刻も早く歯科医院で歯周病治療をする必要があります。
放置しておくと病的口臭が発生し続け、大事な歯も失ってしまう恐れがあるからです。実は日本人が歯を失う原因の第1位は虫歯ではなく歯周病です。
歯周病は重症になる前に予防していくことがとても重要です。歯磨きをしていて血が出たり、最近歯茎が下がって来ていると感じている人はやはり歯周病の予備軍です。
まずは、
- ● 朝晩の歯磨きにより歯垢を取り除くこと
- ● 朝昼晩のフロスにより食べカスを取り除くこと
これら基本の歯周ケアをすることが重要です。
そして、さらに効果的なのが善玉菌を使った口内環境の改善です。
歯周炎の悪化には歯周病菌が大きく関わっています。
同様に、歯周炎の抑制にも口内細菌がとても重要な役割を果たしています。
お口の中の善玉菌、ブリス菌BLIS M18の摂取で、歯周炎を指し示すいくつもの指標が改善!
咽頭炎や中耳炎による口臭への対策
咽頭炎や扁桃腺炎、副鼻腔炎や中耳炎もやはり細菌やウィルスによって引き起こされます。現在進行中でこのような病気にかかっているならば、耳鼻咽喉科にすぐ行きましょう。
咽頭炎や中耳炎は何度も再発をして発症を繰り返すことがあります。いま現在かかっていなくても咽頭炎や中耳炎、副鼻腔炎にかかったことのある方は予防をすることで、病気になるリスクも、口臭を出すリスクも減らすことができます。
再発する咽頭炎や中耳炎の予防には、ブリス菌がBLIS K12が非常に有効であることがわかっています。
生理的口臭への対策
これまで見てきたように生理的口臭は病気が元で発生している訳ではありません。1日や一生の生活の上で、誰しも発生する可能性のある口臭です。気にし過ぎはいけません。
しかし、生理的口臭の強さに個人差があるのもまた事実です。
生理的口臭に関しても有効と言えるのは口内環境をケアすることです。
先ずは、朝晩の歯ブラシと毎食後のデンタルフロスをしっかりすることが基本です。
過剰な歯ブラシは口内の粘膜組織を痛めて、逆に口臭を悪化させてしまう可能性もありますので、やはり、やり過ぎはいけません。
優しく口内環境をケアしていくには、ヒト由来のお口の善玉菌の力で根本的に改善していくことがとても有効です。
実際、口内善玉菌BLIS K12が口臭を発生させる悪玉菌の働きを抑え、VSCを減少させることがわかっています。
まとめ
「口臭の原因物質」と「口臭の種類」を手掛かりにすることで、分かりやすく口臭とその適切な改善策を知ることができます。
「口臭の原因物質」は主犯は、揮発性の硫黄化合物(VSC)です。
「口臭の種類」には、「生理的口臭」と「病的口臭」の2種類があります。
「生理的口臭」は、1日や一生の生活で誰しもが発生する口臭です。気にしすぎは口臭を強くしてしまうことがあるので禁物です。
「病的口臭」は何かしらの病気が原因で発生している口臭です。病的口臭は速やかに対処をすることが必要です。
病的口臭の中で最も多いのが、歯周病性口臭です。重度の歯周病の場合はすぐに歯科医院で治療を行ってください。
生理的口臭にしても病的口臭にしても、予防方法については共通しています。
先ずは基本的な口内環境のケアである
- ・朝晩の歯ブラシで歯垢を取り除くこと
- ・毎食後のデンタルフロスで食べカスを取り除くこと
そして、
・お口全体の口内環境を根本的に優しく整えるためには、お口の善玉菌ブリス菌を摂取
することで、様々なお口の病気の再発を予防し、臭いの原因物質VSCの発生を抑えることができます。
- お口の善玉菌ブリス菌について詳しくは、こちらをご覧ください。
- 口臭予防へのBLIS K12の有効データについては、こちらをご覧ください。
- 歯周病予防へのBLIS M18有効性データについては、こちらをご覧ください。
<参考論文や文献>
- 宮崎秀夫(1999)口臭症分類の試みとその治療 必要性.新潟歯誌29:11-5.
- 音琴淳一(2005)ロ臭の分類,原因および診断方法.松本歯学31:230-240.
- 本田 俊一(2015)『誰も書かなかった口臭治療のすべて:もう口臭で悩まない!』アーク出版.
- Robert P. Allaker, et al. Use of Probiotics and Oral Health. Curr Oral Health Rep. 2017;4:309–318