▶︎ 歯周病・歯肉炎とは?
歯周病・歯肉炎ってどんな病気?
歯周病、歯肉炎は細菌感染によって歯の周りに炎症が起こる病気です。炎症の程度の軽いものは歯肉炎と呼ばれ、歯茎の奥にまで病原菌が侵入して炎症がひどいものは歯周病と呼ばれます。歯周病が進行すると歯と歯茎の間から出血するようになり、歯を支えている骨までが溶け、 歯のぐらつきや、歯の抜け落ちを招きます。
日本では歯周病・歯肉炎の人はどのくらいいるの?
厚生労働省の平成26年「患者調査」の結果によると、「歯肉炎及び歯周疾患」の推計患者数は331万5千人でした。
しかし、これは入院または外来により治療を受けている人数の推計値で、歯肉炎や歯周病を発症していても放置している人やその予備軍はこの何倍(あるいは十倍以上)いると予想されています。歯周病は虫歯と違って痛みを伴わず進行することもあり、治療を受けずにそのままにしてしまう人も多いのです。ですが、歯肉炎や歯周病を放っておくと恐ろしい事態を招くことになります。
口の中だけじゃない!歯周病が引き起こす体のトラブル
歯肉炎、歯周病を口の中だけの病気と高をくくり、ほったらかしにしておくと大変恐ろしいことになります。近年、歯周病が体中の他の病気のリスクを格段に上げていることが分かってきたのです。その悪い代表格とも言えるのが脳梗塞や心筋梗塞です。
歯周病の恐ろしいところは、病原菌や毒素が口の中から大量に血管に入り込んでしまうことです。まるで我が家へ自由に強盗団が入り込むように、大量の病原体が血管の中に侵入してきます。歯周病菌は歯の周りと同様に、血管内でも炎症を引き起こします。結果、免疫反応により血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなるのです。
アメリカの歯周病学会では、歯周病の人は、健康な歯茎の人に比べて、心筋梗塞を起こす確率が3倍高いと報告されています。他にも、未熟児出産、誤飲性肺炎、糖尿病、リウマチ性関節炎、皮膚炎、神経炎、認知症などのリスクを上げるというデータがいくつも報告されています。
つまり、歯肉炎、歯周病を予防することは、口臭予防、自分の歯を残せるといった口の中の健康だけではなく、色々な病気のリスクを下げて全身の健康にもつながるのです。
それでは、どのようにすれば、私たちは歯肉炎、歯周病を効果的に予防していけるのでしょうか?
まずは歯周病、歯肉炎の発症メカニズムを見てみましょう。
歯周病・歯肉炎の発症メカニズム
歯周病、歯肉炎に至るまではとても複雑で、どのような原因菌による影響が大きいのか、どのような経過をたどって発症するのかは人それぞれです。ですが、歯周病、歯肉炎の発症には大きなファクターが3つあります。
歯肉炎や歯周病の発症のメカニズムは虫歯と実によく似ています。歯肉炎、歯周病も虫歯 と同様、細菌による感染症です。まず、第一のファクターは歯周病菌です。歯周病菌の多くは空気があるところでは死んでしまったり、 活動的ではないので健康な人にとってはそれほど恐ろしいものではありません。
しかし、歯垢が歯の周りに付くと事態は一変します。普段元気のない歯周病菌も、歯垢の中では活発になり、爆発的に増殖できるようになるのです。
この点も虫歯の発症とよく似ています。したがって、歯垢の発生が第二のファクターです。歯垢の中で大量に増えた病原菌とその毒素により、歯の周りで炎症が起こります。
炎症によって歯肉の組織がダメージを負い、歯周病菌が歯ブラシの届かない奥深くまで侵入してきます。この炎症が第三のファクターです。
歯ブラシでは取り除けなくなるほど、歯茎の奥に侵入してきた歯周病菌や様々な細菌が作る酸によって、歯を支えている骨が溶かされてしまうのです。
歯周病菌が非常に厄介なのは、免疫機能をかいくぐって生き残れる特殊な能力をそれぞれの細菌ごとに持っていることです。免疫はしっかり働いているのに、病原菌は減らずに増えていくのですから、細胞組織へのダメージばかりが大きくなって、炎症が止まらなくなり、歯茎がどんどん減ってしまうのです。
歯周病、歯肉炎は、病原菌、歯垢、炎症の3つのファクターが相互に影響しあって、進行していく病気と捉えることができます。
つまり、歯肉炎、歯周病を予防するためには、病原菌、歯垢、炎症の3つのファクターにアプローチしていくことが効果的であると考えられます。
ブリス菌が3つのファクター全てにアプローチし、歯周病、歯肉炎の発症を抑える有効性データが世界各地で多数報告されています。